オーダーでのれんを作成する場合、大きさには関係なく要望を出して注文することができますが、
かえってどのように決めればいいのか迷ってしまうことも多いと言います。
一般的なサイズと、決める際に押さえておきたいポイントを理解しましょう。
一般的なのれんには、いくつかの種類があり、それぞれの種類に応じておおよそのサイズが決まっています。
標準的とされるタイプの長さは113cmで、目隠しや日除けの目的で戸口にかける150cm程あるものを長のれんと呼びます。
標準の約半分の長さ57cmのものは、商品や店内の様子を見やすくするために使われるようになりました。
約40cmの短いものは、間口いっぱいに掛けられ、居酒屋や焼き鳥屋、和菓子屋などで見かけるタイプです。
横幅を決める場合は、掛ける場所の横幅に合わせて決めます。入り口の扉を覆い隠すくらいと考えれば問題ありません。
また、40cm・57cmといった短いタイプののれんは、何枚かに分かれていて上の四分の一程が縫い合わされた形状で、
「何割れ」や「何巾」のように呼ばれます。
この場合は、一枚の幅を34cmにして、縫い合わされた枚数分をかけ合わせた長さを全体の横幅と考えると良いでしょう。
のれんに奇数が縁起が良いとされる理由
商売でお客を呼び込むアイテムとして、昔から活用されてきたのれんには、しきたりや縁起を担いだ考え方がたくさん採用されています。
そのうちの一つが、数に関する考え方です。
掲げられたのれんの巾数は、3・5・7・11といった数に割れて作られているものがほとんどです。
奇数は割り切れないため、「余りが出る数」、すなわり「余裕がある」という意味合いで、商売をしている上で
ありがたい数と考えられてきました。偶数に分けられたものも全く無いわけではありませんが、中央に1枚設置できるという
見た目のバランス感や、ロゴやフレーズを真ん中に印刷しやすいというデザイン性の高さから奇数が好まれます。
また、数字では4と9は避けるのが一般的です。これは4が「死」を、9が「苦」を想像させることから、
商売には不向きであるという日本の昔からの考え方によるものです。
欧米では、4は「安定や秩序」、9は「物事の完結」を表しますし、4を東西南北のあらゆる方向から集まってくると見なす文化もあります。
オーダーで制作する場合には、一般的な考え方も参考にしながら、あまり決まりにとらわれずに自分の好みのデザインで制作して構わないでしょう。